こんにちは。ゲームエンジニアのゆきのもり(@yukinomori)です
本日はタワーディフェンスを簡単に作れるアセット「Tower Defense Toolkit 4」の使い方を解説しようと思います
Unityアセットストアで購入できますので、興味のある方はぜひ使用してみてください
Tower Defense Toolkit 4 (TDTK-4) とは?
タワーディフェンスを作れるUnityアセットです
Unity の10周年記念セールでも紹介されていたアセットで、誰でも簡単にタワーディフェンスを作れるのが特徴です

こんな感じで専用のエディタで編集できるため、プログラミングなしで作れるのも魅力です
ただ、1つ欠点がありまして、それは説明が全部英語という点です
アセットストアでは珍しくもないのですが、便利なアセットでも使い方が分からないのは非常にもったいないです
そこで今回は英語がわからなくても「Tower Defense Toolkit 4」が使えるように、使い方を解説していこうと思います!
【Unityアセット】Tower Defense Toolkit 4(TDTK-4) の使い方
最初はベースとなるデモシーンを選ぶ

Scenes_Demoというフォルダの中にデモシーンがあります
TDTK4の説明書によると、このデモシーンを改修してオリジナルのゲームを作るのがおすすめのようです

適当なシーンを選び実行するとデモシーンがプレイできます
デモシーンには次の種類が用意されています
自分の作りたいステージのイメージあったデモシーンを選択しましょう
デモシーンを遊んでみる
デモシーンの仕様について解説します

左上の青いメニューは左から順に次のような意味です
初期設定としてはこんな感じです。素材やアイコン、ライフ初期値などは自由に変更できます(変更方法は後述)

次に右上のメニューについて解説します。こちらも左から
こんな感じです。敵の出現のパターンやショップの内容についても自由にカスタマイズできます(変更方法は後述)
ゲームの設定を変える
ゲーム画面の左上のメニューに表示されている項目の変更方法について解説します

TDTKの中にあるGameControlオブジェクトに設定項目があります

こちらのスクリプトですね。こちらの値をインスペクター上から変更するとゲーム中の設定が変わります
各項目も意味は概ね次の通りです
主にライフに関する設定と、クリアしたときのリソース(Rsc)獲得量に関する設定がここから出来ます
リソース(Rsc)はタワーを作るための素材で、初期設定だと「お金(ドル)」と「パーツ(歯車)」になります
リソースの亜種?であるパークリソース(Perk Rsc)はタワーをアップグレードするための素材です

また、GameControlオブジェクトについているRscManagerコンポーネントではリソースの種類や数を変更できます
リソースには画像も設定できるので結構自由に作れますね
マップ・敵の進行経路を変える
次は敵の進行経路の変更方法について解説します

Sceneビューで視認できる青い線が敵の進行経路です
TDTKではこの線をパス(Path)と呼称しています
パスの見た目の変更

パスに関する設定はこちらのPathIndicatorオブジェクトにて行います

PathIndicatorのLineRendererでは「パスの見た目」に関する設定ができます

「パスの見た目」というのはGameビューで言うところのオレンジの矢印ですね
LineRendererの設定を変更することで、見た目を変えることが出来ます
パス(敵の進行経路)の変更
新規でパスを作成する手順をまとめるとこんな感じです
これだけ書いても各オブジェクトが何なのか?よくわからないと思うのでさらに解説していきます

デモシーンにあるPathオブジェクトを見ていただくとわかりやすいかと思います
Pathオブジェクト以下にはWaypointというオブジェクトが入っています

Waypointは線(Path)を構成する点です(画像の青い●)
点と点を繋げることで線(Path)を作るイメージです

PathオブジェクトにWaypointを登録することで有効化できます
また、Next Path Listに連結する次のPathオブジェクトをいれることでPath同士を連結して敵の進行ルートを描いていきます
もう一つ大事なのはPathを作成したら開始地点を指定することです


PathIndicatorコンポーネントのPathの項目に「最初のPathオブジェクト」を登録する箇所がありますでここも確実に設定するようにしましょう
プラットフォーム(タワー配置場所)の変更
パスとは別にプラットフォーム(Platform)という概念がTDTKにはあります

これは「タワーを置くことが出来る場所」になります
また、Waypointと同様にPathの中に含めて敵の進行経路の一部にすることも出来ます
(Pathに含めないで独立した場所とすることも出来ます)

プラットフォームに付属するコンポーネントでは「配置可能なタワーの種類」を設定することが出来ます
マップの見た目の変更
ここまで解説したパスやプラットフォームは、3Dマップそのものとは独立した概念です

3Dマップ自体を変更する場合はEnvironmentというオブジェクトを参考にしましょう
ざっとオブジェクトを見れば分かりますが、Surfaceというのが地面のオブジェクトでStartEnd-Pointは、開始終了地点を示すパーティクルです
パスやプラットフォームと合うようにいい感じに配置されているだけなので、自由に変更可能です
出現する敵を変える
次に敵(Creep)に関する変更について解説します
新しい敵を増やす
新しい敵の作り方について説明します

一番簡単なのは既存の敵のプレハブをコピーして作成することです
TDTK > Trefabs > Creeps にプレハブがあるのでコピーしてファイル名を変更します
次にこれをTDTKに登録します

Tools > CreepEditorを開きましょう

こんなウィンドウが開きます

左上にあるAdd New Creep のところにプレハブをドラッグすると新しい敵を登録することが出来ます
また、こちらのウィンドウから様々なステータスを設定できます
敵の大分類(Creep Type)は次の種類が用意されています
基本的にはDefaultでよいですが、特殊な敵を作りたい場合は他のタイプを指定します
また、他のざっと主要そうなステータスをご紹介します
他にもいろいろ設定があるので試してみましょう!
出現する敵を変更する
TDTKでは敵が出現する単位を「Wave」と呼びます
「Wave」の中はさらに「SubWave」という単位に分けられます
この「Wave」の変更方法について解説します

Tools > TDTK >SpawnEditor を開きまます

こんな感じの画面が開きます
ここでWave数や出現する敵をコントロールできます
設定項目が多いので主要なところを解説します

まず画像上の「Generate On Start」を有効にするか決めます
有効になっている場合は、毎プレイごとにWaveを自動的に生成します
ある程度設定値に基づいて自動生成するようですが、結構難しいのでOFFがおすすめです
ここではOFFの前提で解説いたします

「Generate On Start」がOFFの状態だと、UIが変わります。個人的にはこちらのほうが直感的じゃないかなと思います
具体的にWaveの変更方法について解説していきます

上のほうにあるWavesListでWaveの総数を決定します。画像は最大Waveが6になっている状態です

Waveごとに出現する敵を設定することが出来ます
SubWaveという項目を増減させると、出現させる敵を増やしたり、敵出現のタイミングをずらしたりすることが出来ます
各項目について解説します
Wave作成の基本的な流れとしては
Waveを増やす > SubWave を増やす > 敵を設定する > Delay や Count などを調整する とった感じになるかと思います
いい感じのWaveが出来上がるまで試行錯誤してみましょう
タワーを変える
続いてタワーに関する変更について解説します

タワーとは設置して敵を攻撃するオブジェクトのことです
タワーを追加する

TDTK > Prefabs > Towers にあるプレハブをコピーして作成します
また、これをTDTKに登録します

Tools > TowerEditor を開きます

このようなウィンドウが開くので、Add New Tower の箇所にプレハブをドラッグすると、タワーを新規追加できます
タワーの設定を変更する
TowerEditorウィンドウの右側でタワーに関する詳細の設定ができます
タワーの大分類(Tower Type)は次の種類があります
他の設定項目はこんな感じです
タワーにはレベルアップやアップグレードという概念があるので忘れないように設定しておきましょう
アビリティを変える

アビリティというのはゲーム画面に右下に表示されている機能です
ユーザの操作により直接的に攻撃したり、タワーを修理したりすることが出来ます
このアビリティのカスタイマイズ方法について解説します
アビリティを追加する

Tools > AbilityEditor を開きます

こんな感じの画面が出るので、左上の Create New か Clone Selected を押すと新しいアビリティが増えます
アビリティの性能を変更する

AbilityEditorの右側でアビリティの性能を変更できます
こちらも色々な効果が作れるので、試してみましょう!
その他の変更をする
その他の細かい変更について解説します
パークを変更する

パークはタワーやアビリティのアップグレードができる場所です
どちらかといえば「ショップ」と呼んだほうが分かりやすいですかね
このパークの変更方法について解説します

Tools > PerkEditor を開きます
アビリティと同じ容量で、商品を増やしたり減らしたりすることが出来ます
詳細については割愛しますが、商品を買うためのコストや効果を設定することが出来ます
パーク用リソース、アビリティ用のリソースの変更

電気マークがアビリティ用のリソースで、星マークがパーク用のリソースです
それぞれの変更方法について解説します


アビリティ用のリソースはAbilityManagerで変更できます
こちらでリソースの初期値や最大値の設定も出来ます


同じくPerkManagerというオブジェクトもあり、こちらでパーク用のリソースも変更可能です
音を設定する
音の設定方法について解説します


AudioManagerというオブジェクトが存在するので、そちらのコポーネントで設定できます
プレイヤーが勝ったとき、負けたときなどのタイミングが設定項目としてあるので、付けたい音をこちらに設定しましょう
まとめ

以上、Unityで簡単にタワーディンフェンスが作れるアセット「Tower Defense Toolkit 4(TDTK-4)」の使い方のご紹介でした
公式の動画で紹介されている通り、3Dモデルを入れ替えるだけでかなりいい感じのゲームが出来そうですね!
有料ではありますが、ぜひ一度お試しあれ!
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